ルール講座

ソフトボールのルール講座です。

アピールプレー

【アピールプレー】

アピールプレー出来るのは次のような場合である。
(1)走者が塁を空過したとき。
(2)飛球に対して走者の離塁が早過ぎたとき。
(3)打順の誤りがあったとき。
(4)一塁通過後、二塁を伺った打者走者にタッチしたとき。
(5)不正交代(無通告交代)したとき。
(6)不正再出場したとき。

【アピール権について】

・ (1)〜(4)は次の打者に対して投球動作に入る前までにアピールする。
・ (5)〜(6)は違反しているチームは通告を忘れていても、相手が気づく前に通告すれば良い。
違反していないチームはその時気が付かなくても最後までアピール権があります。

キャッチ(捕球)I

【状況】

走者一塁、打球がライナーとなって二塁手のグラブをはじいたが、地面に触れる前にカバーに入った右翼手が捕球した。 一塁走者は二塁手に捕球されると思い、一塁へ戻ったが、 二塁手がボールをはじいた直後(右翼手がキャッチする前)に二塁へ走った。 守備側は「タッチアップが早過ぎた」とアピールしてきた。

【判定】

右翼手の捕球は正しい捕球である。 よって打者はアウトになるが、打球が二塁手に触れた直後に離塁しているので 正しいタッチアップであり、アピールは認められない。

■ワンポイントアドバイス

右翼手の捕球でタッチアップするのではないかと思う人が多いと思いますが、 ソフトボール協会に尋ねたところ「走者は最初の野手が球に触れた瞬間から塁を離れても差し支えない」というルールがあるそうです。 つまり、二塁手が打球をはじいた直後にスタートし、右翼手が取り損ねた場合は三塁まで狙えるという事になるのです。 攻撃側としては有利なルールだと思います。 はじいた後の打球の速さや方向性にもよりますが、一瞬の判断をおこたることなくスタートは切りましょう。 仮に次の塁が無理だと判断すれば戻ればいい事です。 要するに最初の野手がはじいた瞬間にスタート出来る事をくれぐれも忘れずに。

キャッチ(捕球)II

【状況】

打者がセカンドへライナーを打った。 二塁手は捕りそこない球が後ろにいた審判員に当たり、地面に触れる前に遊撃手が捕球した。

【判定】

正しいと捕球とは認められない。 打球が審判員に当たる前に投手以外の内野手を通過しているので、ボールインプレイで打者はアウトではない。 フェアの打球がインフライトで審判員に当たった時は、地面に当たった時と同じ解釈をする。

★用語の定義 〜インフライトとは

インフライトとは打球・送球・投球が空中にあって、地面または野手以外のものに触れていない状態のことをいう。

キャッチ(捕球)III

【状況】

打者が外野フライを打った。ボールは一度右翼手のグラブに入ったが、 審判がアウトのコールをする前にグラブから飛び出してしまった。 しかしその後ボールは右翼手の身体に当たって跳ね返り、地面に落下する前に右翼手が腕でキャッチした。

【判定】

右翼手が手またはグラブで球を確捕するまでは完全捕球ではない。 打者は野手の手またはグラブで球が確捕されたときアウトになる。

■ワンポイントアドバイス

このケースは攻撃側として、打者走者は右翼手が手またはグラブでの捕球を確認するまではインプレイです。 ランナーも右翼手がお手玉した瞬間にスタートを切り、確捕されたとしてもタッチアップをしているので問題ありません。

キャッチ(捕球)IV

【状況】

高々と打ち上げられたフライを三塁手と遊撃手が捕球しようとしたが、交錯してもつれ合うように転倒した。 フライは三塁手が捕球したが、転倒した時に手からグラブが外れ、遊撃手がボールの入った三塁手のグラブごと、 地面に落とすことなく抱きかかえていた。これは正しい捕球と認められるか?

【判定】

正しい捕球である。この場合「取り外した用具で捕球した」とはみなさない。

キャッチ(捕球)V

【状況】

左翼手が境界線近くでフライを捕球しようとしているとき
(1)片足は線上で、もう一方の足は境界線内で捕球した。
(2)片足が境界線外の地面に完全に出て捕球した。

【判定】

(1)正しい捕球である。
(2)正しい捕球ではない。

ファールボールを追いかける時は境界線を意識して追いかけましょう。 慣れてくれば境界線までの距離を身体が覚え自然と反応出来ると思います。 ちなみに再認識のため3点追加します。

◆両足が境界線上で捕球した場合も正しい捕球です。
◆片足が中で片足が境界線の外でも空中で捕球なら正しい捕球です。
◆ファール地域内で捕球し、場外へ出た場合も正しい捕球です。

チャージドカンファレンス(打ち合わせ)I

【状況】

守備側の監督が投手と「打ち合わせ」のためタイムを要求した。 試合再開後、投手が打者に対して四球を与えて満塁となったところで守備側の監督が再びタイムを要求し、 三塁手と「打ち合わせ」をした。 この「打ち合わせ」は認められるか?

【判定】

認められる。 守備側は1回から7回までの間に三度の「打ち合わせ」を行うことが出来る。 1イニング中に二度してもいいし、三度してもよい。 また、8回以降は1イニング中一度に限り、「打ち合わせ」を行うことが出来る。

チャージドカンファレンス(打ち合わせ)II

【状況】

守備側の監督が、
(1)投手と内野地域で「打ち合わせ」をして、戻る途中再び投手の所へ行って指示をした。
(2)投手をベンチ前(ファール地域)に呼んで「打ち合わせ」を行い、再び投手の所へ行って指示した。
これは「打ち合わせ」とみなされるか?

【判定】

(1)監督が内野地域で「打ち合わせ」を行ったときは、 戻る途中でファウルラインを越えた時に「打ち合わせ」は終了したとみなされる。 このケースで、ファウルラインを越えてから戻ったのであれば、 再度「打ち合わせ」をしたとみなされる。
(最初の「打ち合わせ」と合わせると二度目)

(2)監督がファウル地域で「打ち合わせ」をした時は、ベンチ内に戻った時に「打ち合わせ」は終了したとみなされるので、 いったんベンチに戻ってから投手のところまで行って指示したのであれば、再度「打ち合わせ」をしたとみなされる。
(最初の「打ち合わせ」と合わせると二度目)

フェアボール

【状況】

三塁線上のフライを捕球しようとしていた野手が、打球をグラブに当てて落球し、 球がファウル地域に落ちた。これはフェアボールか、それともファウルボールか。

【判定】

最初にグラブに触れた打球の位置が、フェア地域の上方空間であればフェアボール。 ファウル地域の上方空間であればファウルボールである。

フォースアウト

【状況】

走者一塁、打者はバントし、プレイ進行中、一塁に達する前にヘルメットを意図的に脱いだ。 この打球を処理した捕手は一塁走者が二塁に達する前に二塁へ送球した。

【判定】

打者走者はプレイ進行中、意図的にヘルメットを脱いだためアウト。 ボールインプレイで、二塁でのフォースアウトは認められる。

イリーガリーバッテッドボール

【状況】

打者席内にいた打者が、投球に当たるのを避けようとして本塁を踏んだ。 そのとき、投球が打者のバッドに偶然当たった。

【判定】

ボールデット。打者アウトとなる。本塁を踏んでバッドに当たれば不正打球となる。

インフィールドフライ

【状況】

一死満塁。打者が内野フライを打ち、インフィールドフライが宣告された。 打球はピッチャーズサークル付近に落ち、一塁線の方に転がってフェア地域で一塁へ向かう打者走者に触れた。 その後、捕手が球を拾い三塁走者をアウトにするため三塁へ送球し、塁を離れていた走者にタッチした。 これはダブルプレイになるか?

【判定】

打者走者が打球に触れた時点で直ちにボールデッドになるため、三塁でのプレイは無効である。 打者走者アウトで二死満塁で試合を再開する。

★用語の定義 〜インフィールドフライとは
インフィールドフライとは無死または一死で、走者一・二塁もしくは満塁で、 打者が内野に打ち上げた飛球で(ラインドライブ、バンド飛球は除く)、 野手が容易に守備できる飛球のことをいう。

☆注意1
インフィールドフライが宣告された打球が塁を離れている走者に触れた時は、 その走者もアウトとなり、ボールデッドである。 ただし、塁に触れている走者に触れた時は走者はアウトにはならず、ボールデッドである。

☆注意2
インフィールドフライが宣告された時はボールインプレイであるので各走者はタッチアップのスタートは切りましょう!!

インターフェアランス(守備妨害)I

【状況】

走者二塁。二塁走者が三塁盗塁を企てた。 捕手が送球しようとしたが、送球が打者席内にいた打者のバットに偶然当たり、ベンチの方へ転がった。 この間に走者は本塁に達した。

【判定】

これは打者の守備妨害ではなく偶然の結果であるから成り行きである。 この場合、野手の手から球が離れたときの走者の位置を基準に2個の安全進塁権が与えられるため、 二塁走者の得点は認められる。

インターフェアランス(守備妨害)II

【状況】

走者一塁。打者はセカンドゴロを打った。この打球を二塁手がファンブルし、 拾い直そうと手を出した時、走路上を走ってきた一塁手と衝突して転倒した。 これは守備妨害か?それとも走塁妨害か?

【判定】

たとえ走路上であっても、このケースでは打球を処理する守備者に優先権があり、 守備妨害でボールデッド。走者はアウトになる。

リーガルタッチ(正しい捕球)

【状況】

走者一塁。打者がセカンドゴロを打った。二塁手はこれを処理し、
(1)走者にグラブでタッチしたが、球はもう一方の素手で持っていた。
(2)走者が二塁に達する前に、球をグラブの中に持ち、素手で二塁ベースに触塁した。

【判定】

(1)正しい触球ではなく、走者セーフである。
(2)正しい触球で、走者アウト。

オブストラクション(守備側の妨害行為)

【状況】

走者一塁。打者がセカンドゴロを打った。二塁手がこの打球をはじき、外野へ転々とした。 その後に一塁走者が走路内にいる二塁手と衝突した。

【判定】

走塁妨害である。二塁手はすでに守備機会を失っており、走者に走路を譲らなくてはならない。

ダブルベースI

【状況】

ダブルベースのプレイで次の場合は守備側および打者走者はどちらのベースに触れればよいか?

(1)守備側が白色ベースで送球を捕ろうとしているとき。

(2)一塁手が打球をはじいて、球が一塁のファウル地域に出たので一塁手がファウル地域側からプレイをし、 打者走者をアウトにしようとしたとき。

(3)送球を捕球しようとした一塁手がエラーをして、球が一塁のファウル地域に出たので、 一塁手がファウル地域で球を拾って打者走者をアウトにしようとしたとき。

(4)送球が一塁のファウル地域側に逸れたので、一塁手がファウル地域側に出てこの送球を捕ろうとしたとき。

(5)球を手にした守備者が、打者走者をアウトにしようとして一塁側のファウル地域から一塁へ送球しようとしたとき。

【判定】

(1)の場合は通常のプレイで、打者走者はオレンジベースに触れなければならない。 白色ベースのみに触れて走り越した場合は、打者走者の一塁到達の方が守備者の捕球より早くても、 打者走者が一塁に戻る前にアピールされれば塁の空過でアウトになる。

(2)(3)(4)(5)の場合は、守備者も打者走者も白色・オレンジベースのどちらのベースを使用してもよい。 一塁のファウル地域で守備者がプレイをするケースでは、守備者も打者走者も両方のベースを使う事が許されている。

ダブルベースII

【状況】

打者がセカンドゴロを打ち、二塁手はこれを処理して一塁へ送球した。 一塁手は打者走者が一塁に達する前にダブルベースの境目を踏んで捕球した。

【判定】

境目に触れていればアウトである。境目に触れれば両方のベースに触れたことになる。 これは攻撃側と守備側の両方に適用される。

ダブルベースIII

【状況】

捕手が第3ストライクを落球し、一塁側のファウル地域でその球を拾った。 一塁ベースカバーに入った二塁手はオレンジベースに触れていた。 捕手からの送球がフェア地域内を走っていた走者に当たった。

【判定】

打者走者にはスリーフットレーン違反のためのアウトは宣告されない。 このケースのような場合のみ、スリーフットレーンはフェア地域に移す。
(野手がオレンジベースで守備している場合はスリーフットレーンはフェア地域側となる。)

ダブルベースIV

【状況】

打者が右中間を深々と破る当たりを放ち、一塁でオレンジベースに触れ、三塁に達した。 守備側は一塁空過をアピールした。

【判定】

セーフである。 長打を打った打者走者は白色ベースまたはオレンジベースのどちらかに触れればよい。